2013年6月9日日曜日

中途半端はきついよね、というシャーロット・コットンの話

写真雑誌IMA最新号のシャーロット・コットンの連載がまた今回も面白い。

若い才能が出てくるのを見つけるのは楽しいよねっていうことは甚く共感しつつ、
今回も僕の知らない作家を見つけてきて紹介しているシャーロットさんに感謝しつつ羨みつつ、今回は写真の世界の構造の話が面白いので紹介する。

シャーロットさんは写真の世界の構造を映画の世界との比較で説明している。
曰く、
a) 映画の世界では、大規模資本の豪華大作が安定したニーズを確保
b) 一方、インディペンデント映画が発表の機会を得て、人気作品が広がっていく仕組みも確立
c) 紋切り型の中途半端な映画は全然駄目
という構造になっており、彼女の説明によれば写真も似たようなものである、と。

つまり、
a) 世界の巨匠(たとえばデュッセルドルフスクール)は安定した地位を確立し、その作品は世界の美術館を巡回し、グローバルアートワールドでは1千万円以上で取引される
b) 一方、若手作家やインディペンデント出版社の世界も元気で、アートワールドとは一線を画しつつ盛り上がり中
c) 一流出版社や伝統的なギャラリーに依存した中庸写真家達は、上記どちらの流れにも乗れず厳しい状況にある。
ということで、全くその通り、非常にわかりやすい説明だと思う。

問題は、どうすれば世界の巨匠の世界(a)に昇りつめられるかということで、これが大変難しい。
作家にとっても一大事だし、僕のように将来(a)まで成り上がれる才能をいち早く発見することに情熱を燃やしている変わり者にとっても一大事である。

間違いないのは、c)からa)に進んでいく道はまず存在しないということだ。
かといって、a)で盛り上がった作家がc)まで出世していくことも想像しがたい。

このへんについては思うところあるが、余計なことを書くと(もう書いている気がするが)いろんな人の反感を買うのでやめておくことにする。

結論的には、
作家は自分のゴールを定めて、ちゃんとそれに辿り着けるルートでキャリアを築こう
(入り口を間違えると行きたいゴールに出られない)、
ということでしょうか。

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