この本は本当に面白い。
そして感動的である。
第1章から第6章まではDeNAという会社と南場さんご自身の歴史になるので、
これは「伝記」と思っている読めばいい。
多くの優れた伝記同様に、そこにはフィクションにも劣らぬドラマがあり、
他人の経験から学ぶべき教訓も多い。
そしてなにより、その物語に自分自身が刺激され、励まされる。
すべてを注いで仕事に取り組んだ成果が世に出したとき、目標が達成されたときの高揚感を擬似的に体験し、
それを実体験するために明日からまた頑張ろうと思わせてくれる。
第7章「人と組織」はキャリアやスキルに関する人材論・組織論的内容で、
DeNAという会社に特に興味のない人はこの章だけ立ち読みするとよい。
グローバル資本主義社会のひとつの頂点マッキンゼーでパートナーまで登りつめ、
その後はベンチャーを売上高2000億円企業にまで育てた稀代の経営者の語る人材論なので、それなりに参考になるはず。
たとえば、コンサルタントと事業リーダーの違い」というのは「胆力」にあるといったことや、
優秀さにもいろんな幅があるということは、実際にコンサルと事業とを両方かじってみると非常によくわかる。
それにしても、この本を読んでみると、マッキンゼーというプロフェッショナルファームのパートナーという仕事と、
ベンチャー企業の経営者との仕事をギャップは本当に天と地ほど違うように思えて、
その2つをジャンプした南場さんの勇敢さと志にあらためて舌を巻く。
世間的に見ても完璧に「格好いい」成功したキャリアと生活スタイルを実現していた南場さんにとって、明日も見えない世界で泥にまみれて戦うベンチャーの世界は本当に「不格好」なものだったのだろう。
でも、それを成し遂げた南場さんは誰がどう見ても最高に格好いい経営者だと思う。
僕もこの人と仕事がしたいです。不格好でいいから。
2013年6月17日月曜日
2013年6月9日日曜日
中途半端はきついよね、というシャーロット・コットンの話
写真雑誌IMA最新号のシャーロット・コットンの連載がまた今回も面白い。
若い才能が出てくるのを見つけるのは楽しいよねっていうことは甚く共感しつつ、
今回も僕の知らない作家を見つけてきて紹介しているシャーロットさんに感謝しつつ羨みつつ、今回は写真の世界の構造の話が面白いので紹介する。
シャーロットさんは写真の世界の構造を映画の世界との比較で説明している。
曰く、
a) 映画の世界では、大規模資本の豪華大作が安定したニーズを確保
b) 一方、インディペンデント映画が発表の機会を得て、人気作品が広がっていく仕組みも確立
c) 紋切り型の中途半端な映画は全然駄目
という構造になっており、彼女の説明によれば写真も似たようなものである、と。
つまり、
a) 世界の巨匠(たとえばデュッセルドルフスクール)は安定した地位を確立し、その作品は世界の美術館を巡回し、グローバルアートワールドでは1千万円以上で取引される
b) 一方、若手作家やインディペンデント出版社の世界も元気で、アートワールドとは一線を画しつつ盛り上がり中
c) 一流出版社や伝統的なギャラリーに依存した中庸写真家達は、上記どちらの流れにも乗れず厳しい状況にある。
ということで、全くその通り、非常にわかりやすい説明だと思う。
問題は、どうすれば世界の巨匠の世界(a)に昇りつめられるかということで、これが大変難しい。
作家にとっても一大事だし、僕のように将来(a)まで成り上がれる才能をいち早く発見することに情熱を燃やしている変わり者にとっても一大事である。
間違いないのは、c)からa)に進んでいく道はまず存在しないということだ。
かといって、a)で盛り上がった作家がc)まで出世していくことも想像しがたい。
このへんについては思うところあるが、余計なことを書くと(もう書いている気がするが)いろんな人の反感を買うのでやめておくことにする。
結論的には、
作家は自分のゴールを定めて、ちゃんとそれに辿り着けるルートでキャリアを築こう
(入り口を間違えると行きたいゴールに出られない)、
ということでしょうか。
若い才能が出てくるのを見つけるのは楽しいよねっていうことは甚く共感しつつ、
今回も僕の知らない作家を見つけてきて紹介しているシャーロットさんに感謝しつつ羨みつつ、今回は写真の世界の構造の話が面白いので紹介する。
シャーロットさんは写真の世界の構造を映画の世界との比較で説明している。
曰く、
a) 映画の世界では、大規模資本の豪華大作が安定したニーズを確保
b) 一方、インディペンデント映画が発表の機会を得て、人気作品が広がっていく仕組みも確立
c) 紋切り型の中途半端な映画は全然駄目
という構造になっており、彼女の説明によれば写真も似たようなものである、と。
つまり、
a) 世界の巨匠(たとえばデュッセルドルフスクール)は安定した地位を確立し、その作品は世界の美術館を巡回し、グローバルアートワールドでは1千万円以上で取引される
b) 一方、若手作家やインディペンデント出版社の世界も元気で、アートワールドとは一線を画しつつ盛り上がり中
c) 一流出版社や伝統的なギャラリーに依存した中庸写真家達は、上記どちらの流れにも乗れず厳しい状況にある。
ということで、全くその通り、非常にわかりやすい説明だと思う。
問題は、どうすれば世界の巨匠の世界(a)に昇りつめられるかということで、これが大変難しい。
作家にとっても一大事だし、僕のように将来(a)まで成り上がれる才能をいち早く発見することに情熱を燃やしている変わり者にとっても一大事である。
間違いないのは、c)からa)に進んでいく道はまず存在しないということだ。
かといって、a)で盛り上がった作家がc)まで出世していくことも想像しがたい。
このへんについては思うところあるが、余計なことを書くと(もう書いている気がするが)いろんな人の反感を買うのでやめておくことにする。
結論的には、
作家は自分のゴールを定めて、ちゃんとそれに辿り着けるルートでキャリアを築こう
(入り口を間違えると行きたいゴールに出られない)、
ということでしょうか。
2013年3月15日金曜日
写真雑誌『IMA』2013 Spring号でインタビューを受けました。
最近注目の写真雑誌『IMA』の最新2013 Spring号でインタビューされました。
「Collector's Eye 写真コレクターの自宅を拝見」という特集の第一回でご紹介頂いています。若干の脚色によりとても立派な人のように書かれてます。
恥ずかしながら自宅の写真付き。
TYCOON BOOKSも無理矢理ご紹介頂いています。
http://www.tycoonbooks.net/
ちなみにJulie Cockburnの作品集『Conversations』は英国でのセールスはわりに好調です。
まぁ当然だけどね。出荷が大変だ
ご購入はこちらから。
「Collector's Eye 写真コレクターの自宅を拝見」という特集の第一回でご紹介頂いています。若干の脚色によりとても立派な人のように書かれてます。
恥ずかしながら自宅の写真付き。
TYCOON BOOKSも無理矢理ご紹介頂いています。
http://www.tycoonbooks.net/
ちなみにJulie Cockburnの作品集『Conversations』は英国でのセールスはわりに好調です。
まぁ当然だけどね。出荷が大変だ
ご購入はこちらから。
2013年2月21日木曜日
イノベーションの教科書『ゲームの変革者』
最近こういう本やこういう本など、イノベーションに関する書籍が多い。
「イノベーションを起こせないとダメだよね」っていうことはビジネスの世界ではもはや「利益が出ないとダメだよね」っていうことと同じくらい共通認識になっている(注:常識だけどイマイチ理解できていない人も多いという皮肉です)。
イノベーションに関する本に関して言えば、2009年に出版された『ゲームの変革者:イノベーションで収益を伸ばす』(A.G.ラフリー、ラム・チャラン共著)が今もなお最も充実した本だと思う。
■どんな本か?
著者の一人A.G.ラフリーは2000年に当時長期低迷に陥っていたP&GのCEOになった経営者で、その後数年間でイノベーションを中心に据えた一連の改革を実行し、見事P&Gを世界を代表するイノベーション企業に仕立てた偉大なる経営者だ。
ラフリーはGEのフェフリー・イメルトCEOと並んで、イノベーションのグールー(教祖)だと勝手に思っている。
この本はラフリーがP&Gをいかに改革して、一連のイノベーションを生み出してきたかが中心に描かれた、イノベーションの教科書のような本だ。P&GだけでなくレゴやGE、デュポンなどなど、400ページにわたり豊富な事例が取り上げられたイノベーションの事例集の本でもある。
■キーメッセージは?
この本で著者が言いたかったことをものすごく大雑把に言えば、以下の3つくらいにまとめられる。
本当は組織に関する部分(資金提供の仕組みや組織外との協業)、リスク管理(ポートフォリオによるリスク管理やプロジェクト評価・管理の仕組み)などを読み込むとその具体性がすごいのだけれど、多分実際に本を読まないと面白くないので、ここでは説明しない。
僕はおそらく今後もこの本を何度も読み返すことになると思う。
こんなに迫力のあるビジネス書はなかなかない。バイブル。
「イノベーションを起こせないとダメだよね」っていうことはビジネスの世界ではもはや「利益が出ないとダメだよね」っていうことと同じくらい共通認識になっている(注:常識だけどイマイチ理解できていない人も多いという皮肉です)。
イノベーションに関する本に関して言えば、2009年に出版された『ゲームの変革者:イノベーションで収益を伸ばす』(A.G.ラフリー、ラム・チャラン共著)が今もなお最も充実した本だと思う。
■どんな本か?
著者の一人A.G.ラフリーは2000年に当時長期低迷に陥っていたP&GのCEOになった経営者で、その後数年間でイノベーションを中心に据えた一連の改革を実行し、見事P&Gを世界を代表するイノベーション企業に仕立てた偉大なる経営者だ。
ラフリーはGEのフェフリー・イメルトCEOと並んで、イノベーションのグールー(教祖)だと勝手に思っている。
この本はラフリーがP&Gをいかに改革して、一連のイノベーションを生み出してきたかが中心に描かれた、イノベーションの教科書のような本だ。P&GだけでなくレゴやGE、デュポンなどなど、400ページにわたり豊富な事例が取り上げられたイノベーションの事例集の本でもある。
■キーメッセージは?
この本で著者が言いたかったことをものすごく大雑把に言えば、以下の3つくらいにまとめられる。
- 企業が継続的に成長するにはイノベーションが不可欠である(洗剤のようなコモディティにおいても)
- イノベーションは天才が起こす奇跡でも偶然の産物でもなく、統合されたプロセスから生まれる成果である
- 「消費者がボス」である
で、具体的にどうやったらいいのかということが、事例を通じてかなり包括的に説明される。
■いかにスゴイ本か
この本の凄まじいところは、デザインシンキングの本や一事業におけるイノベーションの方法論のような断片的な内容だけではなく、ストラテジー(全社戦略)、組織、リスク管理、リーダーシップ、人事など、およそ経営者が判断しなければならないようなあらゆる内容を全部含んでいるところだ。
そしてそれら全てが「消費者がボス」という哲学を貫いている。
そしてそれら全てが「消費者がボス」という哲学を貫いている。
ユーザー中心思想が重要だ、コラボレーションやプロトタイピングが重要だということは簡単だが、実際にすでに回っている大企業においてプロセスやオペレーションまで落とし込むのは全然簡単ではないはずだ。デザイン思考の伝道師になっているIDEOのCEOティム・ブラウンみたいなコンサルタントは、そういう一番厄介な組織上の問題を気にしなくていい。
IDEOに関していえば、P&Gはイノベーションのソースのうち50%を外部から取り入れるという方針のもとIDEOと協力していろいろやってきた会社なので、本の中でもIDEOのオフィスの話やブレインストーミングの話なども出てくる。Tim Brownの『Change by Design』より早い。
本当は組織に関する部分(資金提供の仕組みや組織外との協業)、リスク管理(ポートフォリオによるリスク管理やプロジェクト評価・管理の仕組み)などを読み込むとその具体性がすごいのだけれど、多分実際に本を読まないと面白くないので、ここでは説明しない。
僕はおそらく今後もこの本を何度も読み返すことになると思う。
こんなに迫力のあるビジネス書はなかなかない。バイブル。
2013年2月1日金曜日
読書:『アートスクールで学ぶ 101のアイデア』(キット・ホワイト著)
何気なく手に取ってみた『アートスクールで学ぶ101のアイデア』(キット・ホワイト著、フィルムアート社)という本。これがアートにとってすごく本質的なことをコンパクトにまとめていてなかなかよい
その一部を抜粋で紹介。
“5. メディアは表現の一部である
メディアは作品の第一のアイデンティティです。ドローイングでも、絵画でも写真でも、何が表現されているかは二の次です。メディアこそが内容を規定します。下手に描かれたものは見向きもされません。一方、内容がたいしたことがなくても、完璧な技巧で書き出されていれば傑作になります。全ての名作において、用いられているメディアと表現されている内容は不可分なのです。表現したいことを伝えるために、技巧を磨きましょう。
10. アートは自己表現ではありません
アートが自己表現であるというのは誤解です。アートは文化そのものの表出なのです。私たちは日々、(中略)さまざまな情報源から大量の情報を受け取っています。これらの情報は私たちが作ったものではなく、むしろ私たちを形作るものです...
63. 自分の作品を語れるか
自分の作品について語ることは、作品を見る人に意図を説明するときに大事なだけでなく、自分で自分のしていることを理解するのにも役に立ちます。作品の背後にあるものや、個人的な動機を長々としゃべることは避けましょう。作品に現されていないものに言及すると誤解を生みます。作品はその内容の出発点であり、終着点なのです。
"
(太字、下線は僕がつけました)
といった感じで、僕が日ごろ「やれやれ、勘弁してくれよ」と思うアートの特徴、当たり前なんだけど実際は多くのアーティスト/美大生が実践していないことが端的に指摘されており、ぐいぐいと刺さる。
怖い先生の説教のようですらある(実際、著者はNYにある美大プラット・インスティチュートPlatt Instituteの先生らしい)。
というわけで、アートを目指す人は全員必読。
フォトグラファーだけど、実はちゃんとFine Artを学んだことのない人も必読。
その一部を抜粋で紹介。
“5. メディアは表現の一部である
メディアは作品の第一のアイデンティティです。ドローイングでも、絵画でも写真でも、何が表現されているかは二の次です。メディアこそが内容を規定します。下手に描かれたものは見向きもされません。一方、内容がたいしたことがなくても、完璧な技巧で書き出されていれば傑作になります。全ての名作において、用いられているメディアと表現されている内容は不可分なのです。表現したいことを伝えるために、技巧を磨きましょう。
10. アートは自己表現ではありません
アートが自己表現であるというのは誤解です。アートは文化そのものの表出なのです。私たちは日々、(中略)さまざまな情報源から大量の情報を受け取っています。これらの情報は私たちが作ったものではなく、むしろ私たちを形作るものです...
63. 自分の作品を語れるか
自分の作品について語ることは、作品を見る人に意図を説明するときに大事なだけでなく、自分で自分のしていることを理解するのにも役に立ちます。作品の背後にあるものや、個人的な動機を長々としゃべることは避けましょう。作品に現されていないものに言及すると誤解を生みます。作品はその内容の出発点であり、終着点なのです。
"
(太字、下線は僕がつけました)
といった感じで、僕が日ごろ「やれやれ、勘弁してくれよ」と思うアートの特徴、当たり前なんだけど実際は多くのアーティスト/美大生が実践していないことが端的に指摘されており、ぐいぐいと刺さる。
怖い先生の説教のようですらある(実際、著者はNYにある美大プラット・インスティチュートPlatt Instituteの先生らしい)。
というわけで、アートを目指す人は全員必読。
フォトグラファーだけど、実はちゃんとFine Artを学んだことのない人も必読。
Maxime Ballesteros君の宣伝
まったく巷で知られていないが、最新号の(とってもだいぶ前に出版されたけど)『Purple Fashion #18』にMaxime Ballesterosという写真家のそれなりにまとまったページ数のエディトリアルが載っている。
このMaxime君、3年も前に発掘して彼の最初のzine "a step back"を作ったのは僕らTYCOON BOOKSだったりする。
彼に会うために僕は12月に極寒のベルリンまで行ったよ。
自慢だが、僕らのzineの方がフレッシュでかっこよいと思います。
お買い求めはこちら。
(『Purple Fashion #18』は以下のような感じ。ご参考まで。)
このMaxime君、3年も前に発掘して彼の最初のzine "a step back"を作ったのは僕らTYCOON BOOKSだったりする。
彼に会うために僕は12月に極寒のベルリンまで行ったよ。
自慢だが、僕らのzineの方がフレッシュでかっこよいと思います。
(『Purple Fashion #18』は以下のような感じ。ご参考まで。)
アートばっかりだと肩が凝るので、軽やかでファッショナブルなzineを作りたい今日この頃。
2013年1月24日木曜日
孫社長のありがたいお言葉
『孫正義が40年間語ってきたこと』という本をぱらぱらと読んでみた。
わりにゆるい内容の本だが、一言一言に重みがあり、けっこう刺さる。
まず刺さるのが、人生訓。
"一番重要なのは、志です" (67頁)
はい、賢くて志ない人にならないように自分を戒めます。
"人生は限られた時間しかないと思ったからです" (99頁)
僕も「とりあえず」などと言わないように自分を戒めます。
他にも、
"経営トップがリーダーシップを発揮するにあたり、備えておかなくてはならない重要なものは志・ビジョン・戦略です"(90頁)
順番もこの順に大事だと僕は思う。志なき戦略はダメってことだ。
"どの分野で事業をするかで、将来の半分は決まります" (57頁)
はい、その通りです。
ちなみにこの本の別のパートによれば、孫さんが事業を選ぶ基準は「1番になれる事業」「デジタル情報産業」「インフラストラクチャー事業」という3つをすべて満たすことらしい。
3つ目にスケールの大きさを感じさせられる。
まだ世にない製品やサービスで手付かずの市場(ブルーオーシャン)を取りにいく事業家は多いし、それはとても素敵なことだと思う。
ただ、まだ手付かずのブルーオーシャンってやっぱり相模湾程度の、規模の小さいニッチ市場が多い。インド洋クラスのスケールのあるブルーオーシャンなんてそれほどたくさんは転がっていない。
しかし孫さんは既存市場でも正面突破で取りに行く(たとえば携帯電話)。
ただし、インフラという太平洋クラスにスケールの大きい市場を取りに行く。
実はこういった市場はプレイヤーが少ないのでレッドオーシャンというほど血みどろでもないのだが、少ないプレイヤーはみな巨大なので、勝つのも簡単ではない。
そして有言実行。
実際、ソフトバンクはドコモとauを急激に追い上げている。
契約者数も収益もまだ3番手だが、モバイル事業の直近期営業利益率は約20%でauの15%を大きく上回り、ほぼドコモと並ぶ。営業利益の額で見てもすでにauを抜いている。
やっぱりかっこいいですね、孫社長。
わりにゆるい内容の本だが、一言一言に重みがあり、けっこう刺さる。
まず刺さるのが、人生訓。
"一番重要なのは、志です" (67頁)
はい、賢くて志ない人にならないように自分を戒めます。
"人生は限られた時間しかないと思ったからです" (99頁)
僕も「とりあえず」などと言わないように自分を戒めます。
他にも、
"経営トップがリーダーシップを発揮するにあたり、備えておかなくてはならない重要なものは志・ビジョン・戦略です"(90頁)
順番もこの順に大事だと僕は思う。志なき戦略はダメってことだ。
"どの分野で事業をするかで、将来の半分は決まります" (57頁)
はい、その通りです。
ちなみにこの本の別のパートによれば、孫さんが事業を選ぶ基準は「1番になれる事業」「デジタル情報産業」「インフラストラクチャー事業」という3つをすべて満たすことらしい。
3つ目にスケールの大きさを感じさせられる。
まだ世にない製品やサービスで手付かずの市場(ブルーオーシャン)を取りにいく事業家は多いし、それはとても素敵なことだと思う。
ただ、まだ手付かずのブルーオーシャンってやっぱり相模湾程度の、規模の小さいニッチ市場が多い。インド洋クラスのスケールのあるブルーオーシャンなんてそれほどたくさんは転がっていない。
しかし孫さんは既存市場でも正面突破で取りに行く(たとえば携帯電話)。
ただし、インフラという太平洋クラスにスケールの大きい市場を取りに行く。
実はこういった市場はプレイヤーが少ないのでレッドオーシャンというほど血みどろでもないのだが、少ないプレイヤーはみな巨大なので、勝つのも簡単ではない。
そして有言実行。
実際、ソフトバンクはドコモとauを急激に追い上げている。
契約者数も収益もまだ3番手だが、モバイル事業の直近期営業利益率は約20%でauの15%を大きく上回り、ほぼドコモと並ぶ。営業利益の額で見てもすでにauを抜いている。
やっぱりかっこいいですね、孫社長。
2013年1月20日日曜日
2012年に発売された最も美しい本
2012年総括ということで、僕が偏見で選ぶ「2012年に発売された最も美しい本」をご紹介する。
『Conversations』by Julie Cockburn
ロンドン在住の英国人アーティストJulie Cockburnの待望のファースト作品集。
出版はTYCOON BOOKS。要するに僕が作った。
まずはじめに、
買ってください!
多分誰も知らない名前だと思われるので、とりあえずプレスリリースからどのようなアーティストなのかをご紹介。
以下、プレスリリースから抜粋(僕が書いたんだけど)。
"Julie Cockburnはロンドンを拠点とするアーティスト。Central Saint Martins College of Art and Design, BA fine art (sculpture)卒業。
Julie Cockburnの作品は写真や絵画といったファウンドオブジェクトに刺繍・コラージュなどの繊細的なクラフトワークを施しアートに変換していく手法を特徴とする。
ありふれたものや大量生産品と手作業で作られたものを対比し、物理的にも色あせ、私たちの記憶からも忘れられかけた対象に新たな価値を与える彼女の作品は、鑑賞者に素朴な懐かしさを思い起こさせる一方で、物事が見られ、視覚的に消費されていく方法に挑戦するものでもある。"
現在ロンドンのThe Photographers' GalleryのPrint Sales部門で個展開催中なので、皆様ロンドンまで見に行ってください。2月3日までです。
難しいことは置いておいて、なにしろ僕が作った本なので、この美しい本がどのような経緯でこの本を作ることになったかについてお話しよう。
僕がまだロンドンで悠々自適な学生生活を営んでいた2011年の春、ささやかな写真コレクターでもある僕はThe Photographers' Galleryのオフィスを訪ねた。同ギャラリー所属のLuke Stephenson君の鳥シリーズのプリントの購入を検討していたため、実物を見に行ったのだ。当時ギャラリーは改装中で、Warren Street駅から徒歩5分くらいの辺鄙なビルに仮入居していた。
安いプリント一枚しか買う気がないのにスタッフのAnthony(おじさん)とAnsticeちゃん(ほとんど学生)を何十分もつき合わせていろいろ見ているうちに、部屋に小さなかわいいコラージュ作品がたくさん飾られていることに気いた。それらはJulie Cockburnという聞いたこともない名前のアーティストの作品だった。
そんなわけで、Julieちゃんの作品もすっかり欲しくなってしまった僕はLuke君と鳥写真に加えて、Julieちゃんのコラージュも1点衝動買いすることになった。ユニーク(一点もの)なのに5万円くらい。安かったなー、ほんとに。
僕が買ったのは、これ。もちろん本に載っています。
僕はその後日本に帰国。写真集のコレクターでもあり、趣味で写真集を作っている僕は、こんなに素敵な作品を作っているJulieがまだ1冊も作品集を出版していないことに納得がいかず、自分で作りたくなった。
僕は早速FacebookでJulieを見つけて、直接連絡して写真集を作ろうと連絡した。本人からは(たしか)すぐに返事が来て、「是非やろう!」ということになった。
このように、実にあっさりと本を作る約束がなされた。簡単きわまりない。
本当は本を作る長い長い過程についてもご紹介したいところだが、また長くなるので別の機会にしましょう。
20冊売れたら書くよ。
というわけで、
買ってください!
以下、詳細。
タイトル:『Coversations』
アーティスト:Julie Cockburn
出版:TYCOON BOOKS
価格:国内 - 2,400円(送料無料/税抜) 海外 - 30ドル(+送料5ドル)
17.5x21.0cm | 48ページ+ハードカバー | カラー
500部限定 | ISBN 978-4-9906628-1-3
詳細・ご購入はこちらから
『Conversations』by Julie Cockburn
ロンドン在住の英国人アーティストJulie Cockburnの待望のファースト作品集。
出版はTYCOON BOOKS。要するに僕が作った。
まずはじめに、
買ってください!
多分誰も知らない名前だと思われるので、とりあえずプレスリリースからどのようなアーティストなのかをご紹介。
以下、プレスリリースから抜粋(僕が書いたんだけど)。
"Julie Cockburnはロンドンを拠点とするアーティスト。Central Saint Martins College of Art and Design, BA fine art (sculpture)卒業。
Julie Cockburnの作品は写真や絵画といったファウンドオブジェクトに刺繍・コラージュなどの繊細的なクラフトワークを施しアートに変換していく手法を特徴とする。
ありふれたものや大量生産品と手作業で作られたものを対比し、物理的にも色あせ、私たちの記憶からも忘れられかけた対象に新たな価値を与える彼女の作品は、鑑賞者に素朴な懐かしさを思い起こさせる一方で、物事が見られ、視覚的に消費されていく方法に挑戦するものでもある。"
現在ロンドンのThe Photographers' GalleryのPrint Sales部門で個展開催中なので、皆様ロンドンまで見に行ってください。2月3日までです。
難しいことは置いておいて、なにしろ僕が作った本なので、この美しい本がどのような経緯でこの本を作ることになったかについてお話しよう。
僕がまだロンドンで悠々自適な学生生活を営んでいた2011年の春、ささやかな写真コレクターでもある僕はThe Photographers' Galleryのオフィスを訪ねた。同ギャラリー所属のLuke Stephenson君の鳥シリーズのプリントの購入を検討していたため、実物を見に行ったのだ。当時ギャラリーは改装中で、Warren Street駅から徒歩5分くらいの辺鄙なビルに仮入居していた。
安いプリント一枚しか買う気がないのにスタッフのAnthony(おじさん)とAnsticeちゃん(ほとんど学生)を何十分もつき合わせていろいろ見ているうちに、部屋に小さなかわいいコラージュ作品がたくさん飾られていることに気いた。それらはJulie Cockburnという聞いたこともない名前のアーティストの作品だった。
そんなわけで、Julieちゃんの作品もすっかり欲しくなってしまった僕はLuke君と鳥写真に加えて、Julieちゃんのコラージュも1点衝動買いすることになった。ユニーク(一点もの)なのに5万円くらい。安かったなー、ほんとに。
僕が買ったのは、これ。もちろん本に載っています。
僕はその後日本に帰国。写真集のコレクターでもあり、趣味で写真集を作っている僕は、こんなに素敵な作品を作っているJulieがまだ1冊も作品集を出版していないことに納得がいかず、自分で作りたくなった。
僕は早速FacebookでJulieを見つけて、直接連絡して写真集を作ろうと連絡した。本人からは(たしか)すぐに返事が来て、「是非やろう!」ということになった。
このように、実にあっさりと本を作る約束がなされた。簡単きわまりない。
本当は本を作る長い長い過程についてもご紹介したいところだが、また長くなるので別の機会にしましょう。
20冊売れたら書くよ。
というわけで、
買ってください!
以下、詳細。
タイトル:『Coversations』
アーティスト:Julie Cockburn
出版:TYCOON BOOKS
価格:国内 - 2,400円(送料無料/税抜) 海外 - 30ドル(+送料5ドル)
17.5x21.0cm | 48ページ+ハードカバー | カラー
500部限定 | ISBN 978-4-9906628-1-3
詳細・ご購入はこちらから
2013年1月12日土曜日
『An Incomplete Dictionary of Show Birds』 by Luke Stephenson
新年最初に届いた郵便物のひとつは手取り月収を上回る金額のカード請求書だったが、もうひとつ同時にまた1冊の写真集が届いた。というわけで、ご紹介。
『An Incomplete Dictionary of Show Birds』 by Luke Stephenson
イギリス人の若手写真家Luke Stephenson君のファースト写真集。2010年の『FOAM』マガジンTalent号の表紙を飾ったシリーズなので、写真好きの人は見覚えがあるかもしれない。
世にも美しい鳥たちを写真におさめただけのきわめてシンプルなシリーズなので、「だから何?」と言われてしまうとそれまでではあるけれど、実際とても美しいし、たくさん見ていると世の人々のエキセントリックな趣向の一端が見えてくるような気がしてくる(かもしれない)。
僕もカバーに使用されているイメージを一枚プリントで持っているけど、リビングに置くだけでだいぶハイセンスに見えるのは間違いない(けっこう大きくて困るけれど)。特に大きめの白い額などに入れれば、壁とかが白くてぴかぴかな新築のタワーマンションのリビングにはぴったりだ。
所属のPhotographers' Galleryの担当者の話によると、実際インテリアショップだかインテリアデザイン会社が大量購入していったらしく、売れ行き好調だと2年ほど前に言っていた。
本として残念なのは、151mm x226mmと非常に小さいこと。僕は家に届くまでA4くらいの大きさのものを想像していたが、届いてみたらだいぶこじんまりとしていてちょっと残念だった。多分予算の都合などがあったのだと思うけど、これは是非とも大きいサイズで作ってほしかったと思うし、僕が協力して作りたかったなーと思う。
アマゾンでは購入できないようなので、お求めは彼の特設ウェブサイトから。
『An Incomplete Dictionary of Show Birds』 by Luke Stephenson
イギリス人の若手写真家Luke Stephenson君のファースト写真集。2010年の『FOAM』マガジンTalent号の表紙を飾ったシリーズなので、写真好きの人は見覚えがあるかもしれない。
世にも美しい鳥たちを写真におさめただけのきわめてシンプルなシリーズなので、「だから何?」と言われてしまうとそれまでではあるけれど、実際とても美しいし、たくさん見ていると世の人々のエキセントリックな趣向の一端が見えてくるような気がしてくる(かもしれない)。
僕もカバーに使用されているイメージを一枚プリントで持っているけど、リビングに置くだけでだいぶハイセンスに見えるのは間違いない(けっこう大きくて困るけれど)。特に大きめの白い額などに入れれば、壁とかが白くてぴかぴかな新築のタワーマンションのリビングにはぴったりだ。
所属のPhotographers' Galleryの担当者の話によると、実際インテリアショップだかインテリアデザイン会社が大量購入していったらしく、売れ行き好調だと2年ほど前に言っていた。
本として残念なのは、151mm x226mmと非常に小さいこと。僕は家に届くまでA4くらいの大きさのものを想像していたが、届いてみたらだいぶこじんまりとしていてちょっと残念だった。多分予算の都合などがあったのだと思うけど、これは是非とも大きいサイズで作ってほしかったと思うし、僕が協力して作りたかったなーと思う。
アマゾンでは購入できないようなので、お求めは彼の特設ウェブサイトから。
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