2013年2月1日金曜日

読書:『アートスクールで学ぶ 101のアイデア』(キット・ホワイト著)

何気なく手に取ってみた『アートスクールで学ぶ101のアイデア』(キット・ホワイト著、フィルムアート社)という本。これがアートにとってすごく本質的なことをコンパクトにまとめていてなかなかよい

その一部を抜粋で紹介。

5. メディアは表現の一部である
メディアは作品の第一のアイデンティティです。ドローイングでも、絵画でも写真でも、何が表現されているかは二の次です。メディアこそが内容を規定します。下手に描かれたものは見向きもされません。一方、内容がたいしたことがなくても、完璧な技巧で書き出されていれば傑作になります。全ての名作において、用いられているメディアと表現されている内容は不可分なのです。表現したいことを伝えるために、技巧を磨きましょう。

10. アートは自己表現ではありません
アートが自己表現であるというのは誤解です。アートは文化そのものの表出なのです。私たちは日々、(中略)さまざまな情報源から大量の情報を受け取っています。これらの情報は私たちが作ったものではなく、むしろ私たちを形作るものです...

63. 自分の作品を語れるか
自分の作品について語ることは、作品を見る人に意図を説明するときに大事なだけでなく、自分で自分のしていることを理解するのにも役に立ちます。作品の背後にあるものや、個人的な動機を長々としゃべることは避けましょう。作品に現されていないものに言及すると誤解を生みます。作品はその内容の出発点であり、終着点なのです。
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(太字、下線は僕がつけました)

といった感じで、僕が日ごろ「やれやれ、勘弁してくれよ」と思うアートの特徴、当たり前なんだけど実際は多くのアーティスト/美大生が実践していないことが端的に指摘されており、ぐいぐいと刺さる。
怖い先生の説教のようですらある(実際、著者はNYにある美大プラット・インスティチュートPlatt Instituteの先生らしい)。

というわけで、アートを目指す人は全員必読。
フォトグラファーだけど、実はちゃんとFine Artを学んだことのない人も必読。



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