2013年1月20日日曜日

2012年に発売された最も美しい本

2012年総括ということで、僕が偏見で選ぶ「2012年に発売された最も美しい本」をご紹介する。

『Conversations』by Julie Cockburn

ロンドン在住の英国人アーティストJulie Cockburnの待望のファースト作品集。
出版はTYCOON BOOKS。要するに僕が作った。

まずはじめに、
買ってください!

多分誰も知らない名前だと思われるので、とりあえずプレスリリースからどのようなアーティストなのかをご紹介。

以下、プレスリリースから抜粋(僕が書いたんだけど)。

"Julie Cockburnはロンドンを拠点とするアーティスト。Central Saint Martins College of Art and Design, BA fine art (sculpture)卒業。
Julie Cockburnの作品は写真や絵画といったファウンドオブジェクトに刺繍・コラージュなどの繊細的なクラフトワークを施しアートに変換していく手法を特徴とする。
ありふれたものや大量生産品と手作業で作られたものを対比し、物理的にも色あせ、私たちの記憶からも忘れられかけた対象に新たな価値を与える彼女の作品は、鑑賞者に素朴な懐かしさを思い起こさせる一方で、物事が見られ、視覚的に消費されていく方法に挑戦するものでもある。"


現在ロンドンのThe Photographers' GalleryのPrint Sales部門で個展開催中なので、皆様ロンドンまで見に行ってください。2月3日までです。

難しいことは置いておいて、なにしろ僕が作った本なので、この美しい本がどのような経緯でこの本を作ることになったかについてお話しよう。

僕がまだロンドンで悠々自適な学生生活を営んでいた2011年の春、ささやかな写真コレクターでもある僕はThe Photographers' Galleryのオフィスを訪ねた。同ギャラリー所属のLuke Stephenson君の鳥シリーズのプリントの購入を検討していたため、実物を見に行ったのだ。当時ギャラリーは改装中で、Warren Street駅から徒歩5分くらいの辺鄙なビルに仮入居していた。

安いプリント一枚しか買う気がないのにスタッフのAnthony(おじさん)とAnsticeちゃん(ほとんど学生)を何十分もつき合わせていろいろ見ているうちに、部屋に小さなかわいいコラージュ作品がたくさん飾られていることに気いた。それらはJulie Cockburnという聞いたこともない名前のアーティストの作品だった。

そんなわけで、Julieちゃんの作品もすっかり欲しくなってしまった僕はLuke君と鳥写真に加えて、Julieちゃんのコラージュも1点衝動買いすることになった。ユニーク(一点もの)なのに5万円くらい。安かったなー、ほんとに。
僕が買ったのは、これ。もちろん本に載っています。


僕はその後日本に帰国。写真集のコレクターでもあり、趣味で写真集を作っている僕は、こんなに素敵な作品を作っているJulieがまだ1冊も作品集を出版していないことに納得がいかず、自分で作りたくなった。

僕は早速FacebookでJulieを見つけて、直接連絡して写真集を作ろうと連絡した。本人からは(たしか)すぐに返事が来て、「是非やろう!」ということになった。

このように、実にあっさりと本を作る約束がなされた。簡単きわまりない。
本当は本を作る長い長い過程についてもご紹介したいところだが、また長くなるので別の機会にしましょう。
20冊売れたら書くよ。

というわけで、
買ってください!



以下、詳細。

タイトル:『Coversations』
アーティスト:Julie Cockburn
出版:TYCOON BOOKS
価格:国内 - 2,400円(送料無料/税抜) 海外 - 30ドル(+送料5ドル)
17.5x21.0cm | 48ページ+ハードカバー | カラー
500部限定 | ISBN 978-4-9906628-1-3
詳細・ご購入はこちらから

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