2013年7月21日日曜日

米田知子さんの個展と写真の話2:作品の話

前回の続き。米田知子さんの写真について。

米田さんの写真を通じて知った、写真の面白さとは何か。
それはひとつに、自分が見ていると思っているものの不確かさを明らかにしてくれることだと思う。
米田さんの写真はひとつのイメージとしてとても美しいので、魅力的である。
だが、そのシーンの持つ歴史的な背景を知るとイメージの見え方や観るものにとっての意味がまるで変わってしまう。
観光客で賑わうビーチの風景はいかにも平和的だが、タイトルを見るとそれが第二次世界大戦中に壮絶な戦闘が行われたノルマンディー上陸の場だったり。

Beach: location of the D-Day Normandy landings, Sword Beach, France (2002)


米田さんの作品でもとても人気が高く、僕も一番好きなシリーズが歴史上の有名人の眼鏡を通じてその人にまつわる文章を見た"Between Visible & Invisible"というシリーズだが、このシリーズのタイトルこそ米田さんの写真のアプローチとテーマを象徴している。
名作。


米田さんの写真の魅力その2。
専門的な知識がない人にとっても、1枚の写真をわりと長時間鑑賞することができること。

どんなに素晴らしい作品でも、一枚のイメージと何分・何十秒もの間向かい合っていることは簡単ではない。
それには観る側にもそれなりの能力が求められる。

ケネス・クラークというえらい美術史家が本の中で、
美術史を知ること(というか美術を理解するための知識や情報を得ること)のよさは、
結局それによって1つの絵画をより長い時間楽しめるということだ、
という趣旨のことを書いていた。

それはつまり、単純に美しい絵画に感嘆して眺めているよりも、
技術的な側面から検討したり、美術史的な意味合いについて考えてみたり、
作品のモチーフやその歴史的背景について思いを馳せたり、
などと様々な側面から観ることで、一枚の作品をいろんな楽しみ方ができる。


米田さんの作品はもう少し敷居の低い形で、一枚のイメージを長い時間楽しませてくれる。

まず、作品の正面に向かってその静謐で美しいイメージに素直に心ひかれる。
次に作品に近づき、タイトルを見る。
するとそのイメージが自分にとって別の意味を持つようになり、もう一度イメージを再度見直してみることになる。
蒋介石やらヒトラーやら谷崎やら、歴史上の人物について考えてみたり、高校時代に詰め込んだ歴史的出来事に関する知識が蘇ってきて、イメージの意味合いが膨らんでくることもある。
イメージとタイトルの往復によって、美術的・写真的知識をあまり必要としない形で自然に解釈と理解が拡大していく。
これが楽しい。

そのような味わい深い楽しみ方をさせてくれる写真を扱っているアーティストは、残念ながら日本ではあまりいない。
僕は米田さんを通じてそういう写真の読み方を体験的に知った。

というわけで、より多くの人に今回の写真美術館での展示を通じて同じような体験をしてもらいたいなぁと思います。

米田知子さんの個展と写真の話1:個人的思い出編

東京都写真美術館で米田知子さんの個展が始まった。
初日に森美術館チーフキュレーターの片岡真実さんとのトークが会ったので、聞きにいってみた。

米田さんの写真は個人的にすごく好きで、特別な思い入れがある。
2008年の原美術館での展示がいまでもすごく印象に残っており、
あのときの展示で写真を見ること、読むことの面白さを知った。

僕が写真に興味を持ったのは多分2007年くらいで、
米田さんの展示を見たあたりから撮ることより見ることに関心が移り、
やがて仕事を辞めてロンドンに移り住む。
それから1年ほどしてご本人にお会いする機会を得た。
そのままレバノン料理を食べ、SOHOのバーで明け方まで一緒にお付き合いさせて頂いた。
その後はときどき飲みに連れてって頂き、作品をプリントする現場にも立ち会わせてもらっている。
ご本人は作品の雰囲気からは全く想像できない、相当にお茶目でチャーミングな方です。
実に素敵な出会いだった。

4年くらい前にサラリーマン・コレクターの宮津大輔さんにお話を伺ったとき、
映画やサッカーと違って、アートは自分にとってのスーパースターに実際に会ったり直接コミュニケーションできるのが素晴らしい、というような趣旨のことを仰っていたが、それは本当にその通りだ。
米田さんは僕にとってまさにそういう方だった。

そもそも米田さんの写真を通じて知った、写真の面白さとは何か。
という話はまた次回。

2013年6月17日月曜日

南場智子『不格好経営』は大変面白い本です

この本は本当に面白い。
そして感動的である。


第1章から第6章まではDeNAという会社と南場さんご自身の歴史になるので、
これは「伝記」と思っている読めばいい。
多くの優れた伝記同様に、そこにはフィクションにも劣らぬドラマがあり、
他人の経験から学ぶべき教訓も多い。

そしてなにより、その物語に自分自身が刺激され、励まされる。
すべてを注いで仕事に取り組んだ成果が世に出したとき、目標が達成されたときの高揚感を擬似的に体験し、
それを実体験するために明日からまた頑張ろうと思わせてくれる。


第7章「人と組織」はキャリアやスキルに関する人材論・組織論的内容で、
DeNAという会社に特に興味のない人はこの章だけ立ち読みするとよい。
グローバル資本主義社会のひとつの頂点マッキンゼーでパートナーまで登りつめ、
その後はベンチャーを売上高2000億円企業にまで育てた稀代の経営者の語る人材論なので、それなりに参考になるはず。

たとえば、コンサルタントと事業リーダーの違い」というのは「胆力」にあるといったことや、
優秀さにもいろんな幅があるということは、実際にコンサルと事業とを両方かじってみると非常によくわかる。


それにしても、この本を読んでみると、マッキンゼーというプロフェッショナルファームのパートナーという仕事と、
ベンチャー企業の経営者との仕事をギャップは本当に天と地ほど違うように思えて、
その2つをジャンプした南場さんの勇敢さと志にあらためて舌を巻く。
世間的に見ても完璧に「格好いい」成功したキャリアと生活スタイルを実現していた南場さんにとって、明日も見えない世界で泥にまみれて戦うベンチャーの世界は本当に「不格好」なものだったのだろう。
でも、それを成し遂げた南場さんは誰がどう見ても最高に格好いい経営者だと思う。

僕もこの人と仕事がしたいです。不格好でいいから。



2013年6月9日日曜日

中途半端はきついよね、というシャーロット・コットンの話

写真雑誌IMA最新号のシャーロット・コットンの連載がまた今回も面白い。

若い才能が出てくるのを見つけるのは楽しいよねっていうことは甚く共感しつつ、
今回も僕の知らない作家を見つけてきて紹介しているシャーロットさんに感謝しつつ羨みつつ、今回は写真の世界の構造の話が面白いので紹介する。

シャーロットさんは写真の世界の構造を映画の世界との比較で説明している。
曰く、
a) 映画の世界では、大規模資本の豪華大作が安定したニーズを確保
b) 一方、インディペンデント映画が発表の機会を得て、人気作品が広がっていく仕組みも確立
c) 紋切り型の中途半端な映画は全然駄目
という構造になっており、彼女の説明によれば写真も似たようなものである、と。

つまり、
a) 世界の巨匠(たとえばデュッセルドルフスクール)は安定した地位を確立し、その作品は世界の美術館を巡回し、グローバルアートワールドでは1千万円以上で取引される
b) 一方、若手作家やインディペンデント出版社の世界も元気で、アートワールドとは一線を画しつつ盛り上がり中
c) 一流出版社や伝統的なギャラリーに依存した中庸写真家達は、上記どちらの流れにも乗れず厳しい状況にある。
ということで、全くその通り、非常にわかりやすい説明だと思う。

問題は、どうすれば世界の巨匠の世界(a)に昇りつめられるかということで、これが大変難しい。
作家にとっても一大事だし、僕のように将来(a)まで成り上がれる才能をいち早く発見することに情熱を燃やしている変わり者にとっても一大事である。

間違いないのは、c)からa)に進んでいく道はまず存在しないということだ。
かといって、a)で盛り上がった作家がc)まで出世していくことも想像しがたい。

このへんについては思うところあるが、余計なことを書くと(もう書いている気がするが)いろんな人の反感を買うのでやめておくことにする。

結論的には、
作家は自分のゴールを定めて、ちゃんとそれに辿り着けるルートでキャリアを築こう
(入り口を間違えると行きたいゴールに出られない)、
ということでしょうか。

2013年5月17日金曜日

Simon Bakerのインタビューより

オランダの「foam」マガジン最新号に載っていた、Tateの写真キュレーターSimon Bakerのインタビューがわりと面白かった。
内容自体は特に大したことを言っているわけではないのだけれど、関心を持っている点が「うんうん、そうだよね」と(世間話レベルで)甚く共感できた。

Simon BakerはTate(Tate Modern、 Tate Britainなど全部で4つの美術館がある)初の写真キュレーター。就任後Taryn Simonの"A Living Man Declared Dead and Other Chapters"(2011)や最近ではWilliam Klein + Daido Moriyama (2012)などの大きな写真展をTate Modernでキュレーションしている。僕は前者しか観ていないけど、あれは偉大な展示だった。
加えて、Tateで最近写真のコレクションを増やしまくっていると言われている。

彼が言っていたことを大雑把にまとめると2点で、
1)多様化していく写真をどう比較し、評価するかが難しいし面白い
2)写真は展示、プリントという形と写真集という大きく2つの楽しみがある
ということで、実にまったくその通りだと思う。

写真の表現が多様化しているということについては、Deutsche Borse Prize(ロンドンのThe Photographers' Galleryで展示を伴って開催される大きな写真賞)のノミネート作家を見ればよくわかる。
今年はMishka Henner, Broomberg and Chanarin, Chris Killip, Cristina De Middelの4組。そのうちMishka HennerとBroomberg and Chanarinの作品は自分で写真を撮っていない。彼らを写真集で一躍話題となったCristina De MiddelやドキュメンタリーのChris Killipとどう比較するかというのは相当に難しい。(個人的には迷わずBroomberg and Chanarinですね。)
ちなみに昨年の受賞者John Stezakerはポストカードを貼り合わせたりする作品をずっと作ってきた大巨匠で、この人もカメラは使わない。

(©Broomberg and Chanarin)


さらにSimon Bakerは、次にフォトグラファーがいつターナー賞を取るかがより興味深いと言っている。写真界で最初で最後のターナー賞作家はWolfgang Tillmansだが、それももう2000年のことで、10年以上経っている。Simonのような立場の人は、ターナー賞候補のロングリストを選ぶ人達がしかるべき写真作品にきちんと出会えるように努めるべきだと言っているが、全くその通りだなぁと思うし、ちゃんとその職責を全うしてほしいものだ。


2つ目の写真集も写真もどっちもいいいよね、というのも甚く共感できる。
プリントと写真集のどっちが偉いか、みたいなつまらないことは完全にどうでもよくて、要するに「写真集もプリントも楽しめる写真愛好家ってハッピーだよね」ということに尽きる。

”これからの写真とつながりを持っていたかったら、ロンドンや住んでいる街のいいインディペンデント・ブックショップで行かなくてはならないし、ゆっくりと本を眺めたり、本を作っている人たちに会うのはいつだって得るものが多いよ”(Foam Magazine #34, p.18, 僕のテキトー訳)
と言っているが、全くもってその通りだ。Tateのキュレーターですら僕らと同じことをやっている(僕はDonlon BooksのBook Signingとかで彼に会ったことことはないけど)。

(©Christina De Middel)


写真と写真集について彼が言っていたことで面白いのは、素晴らしい写真集だからといって展示にしたときにいいかどうかはわからない、ということだ。
例えば上述のMiddelの作品集"Afronauts"は去年大ブレイクして、今では絶版となって超高額で売られている。Simonはこの作品集がマスターピースだと認めているが、その展示なんてほとんど誰も観たことがないし、そもそも本当に観たいかどうかというのも微妙なところだ。
これが他の作家とともに展示としてどう対峙できるか、ということが今年のDeutsche Borse Prizeのひとつの見どころではないかと思う。

2013年5月8日水曜日

美術の力は正しい展示環境でのみ十分に発揮されることについて

GWの美術館めぐり第2弾。二人目のフランシスさん、フランシス・ベーコン展について。
(もうひとりのフランシス・アリスさんについてはコチラ

2.  『フランシス・ベーコン展』@東京国立近代美術館
フランシス・ベーコンは20世紀で最も偉大なペインターの一人であり、リヒターと並んでマーケットでも最も高い価格で作品が取引されるアーティストの一人。
没後の大規模個展としては日本を含むアジア初ということなので、当然に期待は高かったわけだが、個人的にはあまりピンと来なかった。

33点という作品数がいまいち物足りないということについては、それだけでも時価総額100億円は超えるだろうと思われることや、作品を集めること自体の大変さを考えれば多めに見ざるを得ないかなと思う。

一番残念だったのは、近代美術館の展示室そのものがあまりにイケていないということで、こればかりはもうどうしようもない。
雑居ビルのような低い天井と鬱陶しい柱のでっぱりに囲まれていては、ベーコンの絵画の凄まじさはなかなか伝わらない。スペースが作品の力を殺してしまっている感じがして非常に残念だった。

僕はベーコンの作品をクリスティーズ、サザビーズのオークションハウスの展示室で何度か見たことがある。
当然にそのシーズンのオークションの目玉の1つであり(だいたい一番高価な作品はベーコン、ウォーホル、リヒターのどれかなのだ)、一番いいところで展示される。
オークションハウスの展示室というのは実は素晴らしいところで、空間・ライティングも含めて商品たる作品の魅力を最大限発揮できるような展示はミュージアムに全然負けていない。
ゴージャスなオークションハウスの大きな展示室の中央に正しく飾られたとき、ベーコンの絵画とはその一室の空間を支配するくらいの強烈な存在感を放っていた。
そこには周囲の作品を霞ませ、観るものの惹き付けて放さない圧倒的なアウラがあった。

それが今回の近代美術館の展示では感じられなかった。
それが作品そのものが十分に魅力的でなかったせいなのか、
僕の感受性の鈍りのせいなのか、展示されている環境のせいなのか、確実なことは言えない。
でも、僕としては同じ作品を別の空間で観ることができたら、まったく違うものが見えたのではないかと思ってしまう。

ハコを作ったり変えたりするのは簡単ではないけど、正しいハコを選んだり、ハコにあった作品を選ぶということがいかに重要かということを二人のフランシスにあらためて考えさせられました。


2013年5月5日日曜日

辺境の地日本ではビデオアートを積極的に紹介してほしいことについて

今年のGWは並びも悪く、また仕事のことで頭がいっぱいで旅行なんか行く気にもならないので、連日美術館巡りを繰り返している。
東京で今観れるものの目玉は二人のフランシス、アリスとベーコンの個展だろう。

というわけで、ひとつ目はフランシス・アリスさんについて。

1. 『フランシス・アリス展 メキシコ編』@東京都現代美術館
行ってみたらなぜか『桂ゆき展』なるものが1F以上のフロアを占めており、肝心のフランシス・アリスはB1Fのみだったのでちょっとがっかりしたが、実際は1フロアだけでも十分な見応えがある。
というか、ほとんどがビデオ作品で観るのにたいへん時間がかかるので、全館でやられたりしたらとても一日では観きれなくなったろう(もしくは作品が足りなかっただろう)。

竜巻に飛び込んでみたり砂山を動かしてみたり、彼の作品は力強さとともに、生身の人ではどうにも立ち向かえないものに対する救いがたい無力感と不毛さを併せ持っていて、それがなんとも言えない共感を生む。ぐっと来る。

加えて、フランシスさんご本人が長身でなかなか絵になる人なので、映像がどれもかっこよく仕上がる。
フランシス・アリスはメキシコをずっと拠点にしているせいでメキシコ人みたいなイメージになってたけど、ベルギー人なんですね。

個人的には竜巻シリーズの長いビデオをふとんに寝転がって観れるのはとてもステキだった。

こういうビデオ作家の展示はなにしろお金がかからないはずなので(シッピングが圧倒的に楽だから)、辺境の地日本ではもっと積極的にやってほしいですね。

ちなみに僕はビデオ作品というものを一度も買ったことがないのだけど、手頃な値段で面白いものがあれば是非買ってみたい。
そのうち個人コレクターが集まって自分の持っているビデオ作品を披露する上映会みたいなことをやりたいですね。

2013年3月28日木曜日

ダメなのはアマゾンか、講談社か

昨日ホリエモンの記者会見をニコ生で見ようと思ったら、なぜかyoutubeでスティーブ・ジョブズのスタンフォードでの講演を見てしまった。
何度見ても素晴らしい講演で、身にしみてちょっと泣けたよ。

それにちょっとだけ関連して、ずっと前から気になっている(というか苛立っている)ことを思い出した。

売れに売れたスティーブ・ジョブズの伝記は日本のKindleストアのオープン当初からkindle版が売っているのだが、これはハードカバーと同じ1,995円。
しかし、その後ペーパーバック版が発売され、それは1,050円で売っている。
つまりkindle本が紙の本の2倍近い値段で売られている。

さすがにこんな馬鹿げた状況はしばらく是正されてるだろうと思っていたが、いっこうに価格が見直される気配がなくて、がっかりする。
これはアマゾンがダメなのか、講談社がダメなのか、どっちでしょうかね。


2013年3月20日水曜日

愛すべきパリのヘンテコ美術館


パリの所謂お洒落エリア(表参道、代官山的なエリア)マレ地区のはずれに、狩猟自然博物館(Musée de la Chasse et de la Nature)はある。
近くにはピカソ美術館もあり、華やかな美術館が数多くあるパリではかなりマイナーで地味なMuséeだが、ここはかなりイケている。

館内様子1。

一見現代美術風の展示室だが、ヘンテコなアンティークと現代美術的なものが混ざっている。


館内様子2&3:


これらは数百年前の拳銃の練習用の的である。
普通にかっこいいだろう、これは。
ものによってはコルクを詰めて空いた穴をふさいでいたりする。
これらのセンスがいいおかげで、1枚目の写真のヘンテコな拳銃を構えたおっさんの作品などもそれなりにかっこよく見えてしまう(単体では全く取るに足らない)。

館内様子4:

アンティーク、剥製、現代美術風の物品が混在する居室。
中央の青い人は残念ながらイブ・クラインではない(故に特に価値はない)。
たいしたことのない美術品もセンスのいい調度品と組み合わせることでそれなりに見える、という例。



ここまでは序の口。


館内様子5:

最もかっこいい部屋はやはりここ。
大量の剥製達! そしてこの天井とネオン管の絶妙な抜け感!
しかもこの中にいる一匹の白イノシシが喋る。カントリーベアジャンボリー的に。
部屋自体は拳銃のコレクションが所蔵されており、これもまた細かい細工が美しく、見飽きることがない。
最高。

館内様子6&7:


動物達。僕も鹿とかトナカイとかの剥製がほしい。


館内様子8:

この部屋もまた見事。
直立して吼える熊。壁にはたくさんの絵画。謎のビデオ作品。
美術品ひとつひとつは一級品とはとても言えないが、全体の調和によりものすごくセンスよく見える。
真似しようと思っても、やっぱりこの3メートル超の天井が日本では大きな課題になるなぁ。


というわけで、パリに行ったらこの美術館は必見。

2013年3月18日月曜日

ローマにてザハ・ハディドと和解する

最近ローマ方法が変わったおかげでヴァチカンが注目を集めているが、
ヴァチカンを含むローマの観光名所というのはヴァチカンの博物館&サン・ピエトロ大聖堂以外はおよそ退屈極まりない。

それ以外に唯一の見所と思えるのが、MAXXI(国立21世紀美術館)という名前の現代美術館で、ここはザハ・ハディド(Zaha Hadid)の設計。日本でも新国立競技場を設計する予定の、あの顔のこわいおばさんです。

ザハの建築はドイツのVitra Museum内の旧消防署(93年に作られた、ザハにとって初めて実現したプロジェクト)に行って以来、あの利用者の都合を無視したエゴに満ちあふれた空間設計が不快で大嫌いだったが、このMAXXIは素晴らしかった。斜めな床や壁もそんなに気持ち悪くなかった。

負けた。今まで悪口言ってごめん、ザハ。
あのとき(93年)は君もまだ若かったということで、許す。

どうかっこいいかは見ないとわからないだろうということで、以下は撮影禁止の館内で勝手に取った写真をご紹介。








2013年3月17日日曜日

José Parlá(ホセ・パルラ)予習

3月21日から東雲の新スペースに移るYUKA TSURUNO GALLERYでJosé Parlá(ホセ・パルラ)の個展が始まるが、ロンドンのHaunch of Venisonでも彼の個展をやっていたりする。というわけで、予習。

小さい作品もいいけど、やっぱり大きいペインティングがすごくよかった。特に上から2枚目の写真のやつ。





2013年3月15日金曜日

アンティークが好き。

アンティークが好きなので、クリニャンクールとかは大好きです。
パリにて。

この亀が欲しい。

こういうのが置けるなら庭があってもいいな。

ここは家具が多い一番奥のエリア。実は別に安いわけではない。

剥製は欲しくても輸入できない。

ヴィンテージのヴィトンの旅行鞄。新品より安いし、新品よりかっこいい。

写真雑誌『IMA』2013 Spring号でインタビューを受けました。

最近注目の写真雑誌『IMA』の最新2013 Spring号でインタビューされました。
「Collector's Eye 写真コレクターの自宅を拝見」という特集の第一回でご紹介頂いています。若干の脚色によりとても立派な人のように書かれてます。
恥ずかしながら自宅の写真付き。


TYCOON BOOKSも無理矢理ご紹介頂いています。
http://www.tycoonbooks.net/

ちなみにJulie Cockburnの作品集『Conversations』は英国でのセールスはわりに好調です。
まぁ当然だけどね。出荷が大変だ

ご購入はこちらから。

2013年2月21日木曜日

イノベーションの教科書『ゲームの変革者』

最近こういう本こういう本など、イノベーションに関する書籍が多い。
「イノベーションを起こせないとダメだよね」っていうことはビジネスの世界ではもはや「利益が出ないとダメだよね」っていうことと同じくらい共通認識になっている(注:常識だけどイマイチ理解できていない人も多いという皮肉です)。

イノベーションに関する本に関して言えば、2009年に出版された『ゲームの変革者:イノベーションで収益を伸ばす』(A.G.ラフリー、ラム・チャラン共著)が今もなお最も充実した本だと思う。

■どんな本か?
著者の一人A.G.ラフリーは2000年に当時長期低迷に陥っていたP&GのCEOになった経営者で、その後数年間でイノベーションを中心に据えた一連の改革を実行し、見事P&Gを世界を代表するイノベーション企業に仕立てた偉大なる経営者だ。
ラフリーはGEのフェフリー・イメルトCEOと並んで、イノベーションのグールー(教祖)だと勝手に思っている。

この本はラフリーがP&Gをいかに改革して、一連のイノベーションを生み出してきたかが中心に描かれた、イノベーションの教科書のような本だ。P&GだけでなくレゴやGE、デュポンなどなど、400ページにわたり豊富な事例が取り上げられたイノベーションの事例集の本でもある。

■キーメッセージは?
この本で著者が言いたかったことをものすごく大雑把に言えば、以下の3つくらいにまとめられる。

  • 企業が継続的に成長するにはイノベーションが不可欠である(洗剤のようなコモディティにおいても)
  • イノベーションは天才が起こす奇跡でも偶然の産物でもなく、統合されたプロセスから生まれる成果である
  • 「消費者がボス」である
で、具体的にどうやったらいいのかということが、事例を通じてかなり包括的に説明される。

■いかにスゴイ本か
この本の凄まじいところは、デザインシンキングの本や一事業におけるイノベーションの方法論のような断片的な内容だけではなく、ストラテジー(全社戦略)、組織、リスク管理、リーダーシップ、人事など、およそ経営者が判断しなければならないようなあらゆる内容を全部含んでいるところだ。
そしてそれら全てが「消費者がボス」という哲学を貫いている。

ユーザー中心思想が重要だ、コラボレーションやプロトタイピングが重要だということは簡単だが、実際にすでに回っている大企業においてプロセスやオペレーションまで落とし込むのは全然簡単ではないはずだ。デザイン思考の伝道師になっているIDEOのCEOティム・ブラウンみたいなコンサルタントは、そういう一番厄介な組織上の問題を気にしなくていい。

IDEOに関していえば、P&Gはイノベーションのソースのうち50%を外部から取り入れるという方針のもとIDEOと協力していろいろやってきた会社なので、本の中でもIDEOのオフィスの話やブレインストーミングの話なども出てくる。Tim Brownの『Change by Design』より早い。

本当は組織に関する部分(資金提供の仕組みや組織外との協業)、リスク管理(ポートフォリオによるリスク管理やプロジェクト評価・管理の仕組み)などを読み込むとその具体性がすごいのだけれど、多分実際に本を読まないと面白くないので、ここでは説明しない。

僕はおそらく今後もこの本を何度も読み返すことになると思う。
こんなに迫力のあるビジネス書はなかなかない。バイブル。




『Think!』より僕の方が早い

コンサル教科書的雑誌『Think!』の最新号「イノベーションの起こし方」で、takram田川欣哉さんとアーティスト・スプツニ子!の記事が載っているが、お二人とも2年以上前に僕がインタビューしてますから。

最近は忙し過ぎてインタビューとかはやめてしまったけど、話を聞きたい人を探して自分で会いにいくのは楽しい。

僕は20代の2/3くらいを会計に費やしてきたのでその道ではある程度プロですが、
一方でInnovationをもうひとつのテーマにしている。
その両者のギャップがありすぎて、なかなか両方をつなげられるキャリアというものが描けていないんだど。

ちなみに『Thinki!』は1890円ですが(高い!)、僕のインタビュー記事は無料です。
田川さんのインタビューはこちら
スプツニ子のインタビューはこちら



2013年2月1日金曜日

読書:『アートスクールで学ぶ 101のアイデア』(キット・ホワイト著)

何気なく手に取ってみた『アートスクールで学ぶ101のアイデア』(キット・ホワイト著、フィルムアート社)という本。これがアートにとってすごく本質的なことをコンパクトにまとめていてなかなかよい

その一部を抜粋で紹介。

5. メディアは表現の一部である
メディアは作品の第一のアイデンティティです。ドローイングでも、絵画でも写真でも、何が表現されているかは二の次です。メディアこそが内容を規定します。下手に描かれたものは見向きもされません。一方、内容がたいしたことがなくても、完璧な技巧で書き出されていれば傑作になります。全ての名作において、用いられているメディアと表現されている内容は不可分なのです。表現したいことを伝えるために、技巧を磨きましょう。

10. アートは自己表現ではありません
アートが自己表現であるというのは誤解です。アートは文化そのものの表出なのです。私たちは日々、(中略)さまざまな情報源から大量の情報を受け取っています。これらの情報は私たちが作ったものではなく、むしろ私たちを形作るものです...

63. 自分の作品を語れるか
自分の作品について語ることは、作品を見る人に意図を説明するときに大事なだけでなく、自分で自分のしていることを理解するのにも役に立ちます。作品の背後にあるものや、個人的な動機を長々としゃべることは避けましょう。作品に現されていないものに言及すると誤解を生みます。作品はその内容の出発点であり、終着点なのです。
"
(太字、下線は僕がつけました)

といった感じで、僕が日ごろ「やれやれ、勘弁してくれよ」と思うアートの特徴、当たり前なんだけど実際は多くのアーティスト/美大生が実践していないことが端的に指摘されており、ぐいぐいと刺さる。
怖い先生の説教のようですらある(実際、著者はNYにある美大プラット・インスティチュートPlatt Instituteの先生らしい)。

というわけで、アートを目指す人は全員必読。
フォトグラファーだけど、実はちゃんとFine Artを学んだことのない人も必読。



Maxime Ballesteros君の宣伝

まったく巷で知られていないが、最新号の(とってもだいぶ前に出版されたけど)『Purple Fashion #18』にMaxime Ballesterosという写真家のそれなりにまとまったページ数のエディトリアルが載っている。

このMaxime君、3年も前に発掘して彼の最初のzine "a step back"を作ったのは僕らTYCOON BOOKSだったりする。
彼に会うために僕は12月に極寒のベルリンまで行ったよ。

自慢だが、僕らのzineの方がフレッシュでかっこよいと思います。


お買い求めはこちら

(『Purple Fashion #18』は以下のような感じ。ご参考まで。)



アートばっかりだと肩が凝るので、軽やかでファッショナブルなzineを作りたい今日この頃。

2013年1月24日木曜日

孫社長のありがたいお言葉

『孫正義が40年間語ってきたこと』という本をぱらぱらと読んでみた。
わりにゆるい内容の本だが、一言一言に重みがあり、けっこう刺さる。

まず刺さるのが、人生訓。

"一番重要なのは、志です" (67頁)
はい、賢くて志ない人にならないように自分を戒めます。


"人生は限られた時間しかないと思ったからです" (99頁)
僕も「とりあえず」などと言わないように自分を戒めます。



他にも、

"経営トップがリーダーシップを発揮するにあたり、備えておかなくてはならない重要なものは志・ビジョン・戦略です"(90頁)
順番もこの順に大事だと僕は思う。志なき戦略はダメってことだ。


"どの分野で事業をするかで、将来の半分は決まります" (57頁)
はい、その通りです。

ちなみにこの本の別のパートによれば、孫さんが事業を選ぶ基準は「1番になれる事業」「デジタル情報産業」「インフラストラクチャー事業」という3つをすべて満たすことらしい。
3つ目にスケールの大きさを感じさせられる。

まだ世にない製品やサービスで手付かずの市場(ブルーオーシャン)を取りにいく事業家は多いし、それはとても素敵なことだと思う。
ただ、まだ手付かずのブルーオーシャンってやっぱり相模湾程度の、規模の小さいニッチ市場が多い。インド洋クラスのスケールのあるブルーオーシャンなんてそれほどたくさんは転がっていない。

しかし孫さんは既存市場でも正面突破で取りに行く(たとえば携帯電話)。
ただし、インフラという太平洋クラスにスケールの大きい市場を取りに行く。
実はこういった市場はプレイヤーが少ないのでレッドオーシャンというほど血みどろでもないのだが、少ないプレイヤーはみな巨大なので、勝つのも簡単ではない。

そして有言実行。
実際、ソフトバンクはドコモとauを急激に追い上げている。
契約者数も収益もまだ3番手だが、モバイル事業の直近期営業利益率は約20%でauの15%を大きく上回り、ほぼドコモと並ぶ。営業利益の額で見てもすでにauを抜いている。


やっぱりかっこいいですね、孫社長。















2013年1月20日日曜日

リブセンスの村上社長は本当にステキな人でした

最近なにかと話題のリブセンス村上太一社長のお話を聞く機会があった。

村上社長は早稲田大学1年生のときにリブセンスを起業し、25歳にして最年少上場を成し遂げた方。
僕よりお若いが、スケールの大きい素晴らしい方だった。

お話の内容は村上社長の子ども時代の話からリブセンスが立ち上がっていく経緯など、だいたい最近本屋で平積みされている本に書いてあることなので、大部分割愛する。

僕がお話を伺っていて一番感心したのは、リブセンスが立ち上がってしばらく売上が立たず、会社の売却を検討していたときのお話。

村上社長は会社を売るかどうかをすごく悩み、そのとき自分はなぜ会社をやりたいのか改めて考えたとのこと。そのとき出てきた答えは「やりたいからやる。今会社を売却しても、どうせまた会社を作るだろう」と考え、一度は約束した会社売却を取り消してもらったらしい。
そのとき、「やりたいことを言語化する」大切さを実感したのだそうだ。

なんだか至極当たり前すぎることを言っている感じがするけど、これは全然簡単なことではない。「やりたいことの言語化」というのは本当に本当に骨の折れる作業だ。ちゃんと実践している人はあまりいないのではないかと思う。
特にコンサルタントという仕事をしている人たちは、収入が高いことと早いスピードで成長することを言い訳に、このきつい思考作業を先延ばしする傾向がある。

でも、僕のように30歳くらいになってくると、20代前半からやりたいことを定めてそれに打ち込んできた人と、それが定まらずにぶれている人との差がはっきり見えてくる。本当にはっきり見えてくる。
そうするとやっぱりやりたいことをやっている人の方がかっこいいし、幸せそうだと言うことがわかってくる。
あと、30代半ばになって「自分のやりたいことが定まらない」みたいな状況に陥ると、本当にけっこうキツいと思われる。

ということで、教訓
一、「やりたいことをやりましょう」
二、「やりたいことが見つからなかったら、もっと真剣に考えましょう」


(村上社長の本はこちら)


2012年に発売された最も美しい本

2012年総括ということで、僕が偏見で選ぶ「2012年に発売された最も美しい本」をご紹介する。

『Conversations』by Julie Cockburn

ロンドン在住の英国人アーティストJulie Cockburnの待望のファースト作品集。
出版はTYCOON BOOKS。要するに僕が作った。

まずはじめに、
買ってください!

多分誰も知らない名前だと思われるので、とりあえずプレスリリースからどのようなアーティストなのかをご紹介。

以下、プレスリリースから抜粋(僕が書いたんだけど)。

"Julie Cockburnはロンドンを拠点とするアーティスト。Central Saint Martins College of Art and Design, BA fine art (sculpture)卒業。
Julie Cockburnの作品は写真や絵画といったファウンドオブジェクトに刺繍・コラージュなどの繊細的なクラフトワークを施しアートに変換していく手法を特徴とする。
ありふれたものや大量生産品と手作業で作られたものを対比し、物理的にも色あせ、私たちの記憶からも忘れられかけた対象に新たな価値を与える彼女の作品は、鑑賞者に素朴な懐かしさを思い起こさせる一方で、物事が見られ、視覚的に消費されていく方法に挑戦するものでもある。"


現在ロンドンのThe Photographers' GalleryのPrint Sales部門で個展開催中なので、皆様ロンドンまで見に行ってください。2月3日までです。

難しいことは置いておいて、なにしろ僕が作った本なので、この美しい本がどのような経緯でこの本を作ることになったかについてお話しよう。

僕がまだロンドンで悠々自適な学生生活を営んでいた2011年の春、ささやかな写真コレクターでもある僕はThe Photographers' Galleryのオフィスを訪ねた。同ギャラリー所属のLuke Stephenson君の鳥シリーズのプリントの購入を検討していたため、実物を見に行ったのだ。当時ギャラリーは改装中で、Warren Street駅から徒歩5分くらいの辺鄙なビルに仮入居していた。

安いプリント一枚しか買う気がないのにスタッフのAnthony(おじさん)とAnsticeちゃん(ほとんど学生)を何十分もつき合わせていろいろ見ているうちに、部屋に小さなかわいいコラージュ作品がたくさん飾られていることに気いた。それらはJulie Cockburnという聞いたこともない名前のアーティストの作品だった。

そんなわけで、Julieちゃんの作品もすっかり欲しくなってしまった僕はLuke君と鳥写真に加えて、Julieちゃんのコラージュも1点衝動買いすることになった。ユニーク(一点もの)なのに5万円くらい。安かったなー、ほんとに。
僕が買ったのは、これ。もちろん本に載っています。


僕はその後日本に帰国。写真集のコレクターでもあり、趣味で写真集を作っている僕は、こんなに素敵な作品を作っているJulieがまだ1冊も作品集を出版していないことに納得がいかず、自分で作りたくなった。

僕は早速FacebookでJulieを見つけて、直接連絡して写真集を作ろうと連絡した。本人からは(たしか)すぐに返事が来て、「是非やろう!」ということになった。

このように、実にあっさりと本を作る約束がなされた。簡単きわまりない。
本当は本を作る長い長い過程についてもご紹介したいところだが、また長くなるので別の機会にしましょう。
20冊売れたら書くよ。

というわけで、
買ってください!



以下、詳細。

タイトル:『Coversations』
アーティスト:Julie Cockburn
出版:TYCOON BOOKS
価格:国内 - 2,400円(送料無料/税抜) 海外 - 30ドル(+送料5ドル)
17.5x21.0cm | 48ページ+ハードカバー | カラー
500部限定 | ISBN 978-4-9906628-1-3
詳細・ご購入はこちらから

『GINZA』の表紙とMichael Wolf

最新号の『GINZA』のカバーがMichael Wolfの"Tokyo Compression"シリーズと酷似しすぎてて、というかもはや完全にパクリでちょっと呆れた。

こちらが『GINZA』2013年2月号の表紙。

こちらがMichael Wolfの"Tokyo Compression"シリーズからの作品。2010年か2011年くらいのシリーズでしょうか。
パリフォトで初めて観た時は、日本人的にはあまりにも生々しくてぞっとしたのを記憶している。

広告表現などに置いてアートが模倣されて問題になることはときどきある。
アートの世界でもパクリっぽいものはいっぱいある。
なにしろ新しいイメージをこれ以上生み出すことは至難なので、知らなくても世界同時多発的に似たようなものが生まれてしまうこともある。

でも、クリエイターと自任するものが自分の作品ないしアイデア(と思っているもの)と似たような先例を後に見つけてしまったとき、その作り手は自分が無意識的にでも過去にそのイメージを参照していないか、厳しく自分に問わなければないのではないかと思う。
説明責任はパクリだと思われた人にあると思う。
なぜって、他の人がそれを見つけた場合「パクった」と思われて損をするのは自分だから。

2013年1月12日土曜日

『An Incomplete Dictionary of Show Birds』 by Luke Stephenson

新年最初に届いた郵便物のひとつは手取り月収を上回る金額のカード請求書だったが、もうひとつ同時にまた1冊の写真集が届いた。というわけで、ご紹介。

『An Incomplete Dictionary of Show Birds』 by Luke Stephenson
イギリス人の若手写真家Luke Stephenson君のファースト写真集。2010年の『FOAM』マガジンTalent号の表紙を飾ったシリーズなので、写真好きの人は見覚えがあるかもしれない。



世にも美しい鳥たちを写真におさめただけのきわめてシンプルなシリーズなので、「だから何?」と言われてしまうとそれまでではあるけれど、実際とても美しいし、たくさん見ていると世の人々のエキセントリックな趣向の一端が見えてくるような気がしてくる(かもしれない)。
僕もカバーに使用されているイメージを一枚プリントで持っているけど、リビングに置くだけでだいぶハイセンスに見えるのは間違いない(けっこう大きくて困るけれど)。特に大きめの白い額などに入れれば、壁とかが白くてぴかぴかな新築のタワーマンションのリビングにはぴったりだ。
所属のPhotographers' Galleryの担当者の話によると、実際インテリアショップだかインテリアデザイン会社が大量購入していったらしく、売れ行き好調だと2年ほど前に言っていた。

本として残念なのは、151mm x226mmと非常に小さいこと。僕は家に届くまでA4くらいの大きさのものを想像していたが、届いてみたらだいぶこじんまりとしていてちょっと残念だった。多分予算の都合などがあったのだと思うけど、これは是非とも大きいサイズで作ってほしかったと思うし、僕が協力して作りたかったなーと思う。




アマゾンでは購入できないようなので、お求めは彼の特設ウェブサイトから。

2013年1月3日木曜日

新しくブログを始めようと思います。

新年なので、久しぶりにブログを始めてみようと思います。
日記みたいなもので、すぐにやめるかもしれませんが。

早くも気に入ったデザインにすることができず困ってます。日本語フォントを変えたいが、やりかたわからず。早く使いこなせるようになりたいですね。

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